新造船「第七十八光洋丸」が初出漁
海外まき網漁船「第七十八光洋丸」を新造し、2024年2月3日の出漁式ののち焼津港から出港しました。中西部太平洋のカツオおよびキハダマグロのまき網漁業に従事します。
当社では海外まき網漁船として第七十八光洋丸・第八十八光洋丸の2隻を擁しています。新たな第七十八光洋丸の操業開始にあわせて中西部太平洋のカツオ・キハダマグロ漁業に関してMSC漁業認証取得を申請しており、現在審査の最終段階に入っています。認証を取得すると2隻によるカツオ・キハダマグロ漁業の漁獲物の全量がMSC漁業認証の対象となる見通しです。
第七十八光洋丸は、水産庁の漁業構造改革総合対策事業・もうかる漁業創設支援事業による一般社団法人海外まき網漁業協会「海外まき網漁業地域プロジェクト」に参加し令和6年2月から5年間の実証試験操業に入りました。水産庁はじめ関係機関にはご指導ご支援に感謝申し上げます。良質なカツオ・キハダマグロの供給を通じて貢献して参ります。
第七十八光洋丸は僚船の第八十八光洋丸と同様に大型化したうえ、操業性能だけでなく省エネ・環境性能を向上させるとともに、居住性を含め人権に配慮したさまざまな工夫を凝らした設計としています。
●船首形状の改良や推進のためのプロペラの見直し、省燃費型防汚塗料の採用、LED照明の採用、燃費リアルタイムモニターの設置などにより、燃油消費量の5%削減(既存同型船比)を目指しています。
●冷凍機には旧船ではフロン系冷媒R-22を使用していましたが、新船では第88光洋丸同様に自然冷媒のアンモニアを採用しました。CO2排出量は13%減(R-22比)が見込まれます。
●安全性の確保、労働負荷の軽減、労働環境の整備などを図りました。またILOの新設備基準に適合した快適な居住環境を整備しました。
●高速・大容量のブロードバンド衛星通信システムによる洋上インターネット環境を整備しました。家族や友人との連絡、個人での情報収集など陸上に近いネット環境が実現しました。
●外国人船員の人権尊重や労働環境の改善を目的として、多言語相談窓口・救済メカニズムを導入しました。ニッスイグループでは、2023年度に責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)(*)が提供する「責任ある外国人労働者の受入れ企業協働プログラム」に参画し、ニッスイグループ国内各社の外国人労働者を対象に多言語相談窓口および救済メカニズムを導入しています。漁船への導入事例は当社が初めてです。
*JP-MIRAIとは:一般社団法人JP-MIRAIが運営するプラットフォーム。外国人労働者の権利を守り、労働環境・生活環境を改善することにより責任をもって外国人労働者を受け入れ、外国人労働者から『選ばれる日本』となり、包括的な経済成長と持続的な社会の実現を目指しています。